知識・学力
大学入試までのスパンで考えた時に、勉強が出来る(=偏差値が高くなる)ようになるのに一番必要な資質は何かと考えると、それは「素直さ」です。次が「勤勉さ・丁寧さ」でしょうか。
つまり、先生の言うことを素直に聞いて・それを丁寧に反復して定着させる生徒が勉強ができるようになります。
逆に、先生の言うことを真面目に聞かず・従わない子、または自分で反復練習をしない子は勉強ができるようにはなりません。まあ当たり前ですね。
考える力
一方で、単なる学力でなく「考える力」「問題解決能力」が必要だという意見もあります。
実際、入試問題では、見たこともない=習ったことが無い問題「も」出題されます。
難関校になればなるほど、そういう問題が増えてきます。
最初に述べたような「言われたことを素直に聞いて、反復して身につけている」というのと「初めて見た問題を考えて解決する」のは相反するようにも思えるかもしれません。
実際、「まじめで普段の成績は良いのだけど、摸試では点数が取れない」
とか
「摸試の成績は良かったのに、本番で初めて見る問題にパニックを起こして撃沈した。」
というステレオタイプは皆さんも耳にした事があるでしょうし、私自身の講師経験でもそういう例をたくさん見てきました。
もっとも自分が担当する生徒は、試験場での心構えも(暗記プリントとして!)カリキュラムに入れているので、パニクって撃沈した例はあまり記憶にありません(^_^;)
では、学力がきちんと身についていて、考える力もある、そういう生徒を育てるにはどうすればいいんでしょうか?
教わる前の一回目
それが「公式や解法を習う前の、授業で最初に問題を解く機会」の使い方なんですね。
学力を上げるためには、一回習った知識公式解法はきちんと反復してテストの時は反射的に使えるように定着させないといけません。
つまり習ったことは「考えない」ようになっていかないといけないのです。
私自身も一度教えたことは繰り返し説明しませんし
(ちなみに、重要事項は「全て」暗記カードかプリントにしていますので真面目な生徒は全員、きちんと暗記してきます)
既習事項を覚えていない生徒に対しては「何で覚えてないんだよ?!」としかります。
「公式を忘れたらその場で考えて思い出せば良いんだよ」という先生がいますが、それは緊急事態の対処法でしかなく、だから「忘れてもいいや」と考える生徒は成績が伸びません
習ったことが増えていき・それらについては考えなくなっていくとすると、授業中に「考える力」を鍛える機会は、新しい単元に入って公式や解法を習う前だけになります!
この時間を単なる「導入」としか考えていない先生がほとんどですが、この時間帯の使い方が考える力を伸ばすカギになります。(知識公式を習った後の応用問題はまた別の話になります)
具体的にどうするかというと
「好きに解かせる」それだけです(^O^)
ただ、その際に「これはまだ教えてない、習ったことが無い問題だよ」と生徒の頭に条件付けをしてあげます。
そして「習ったことがないんだから、自由に、テキトーに、とにかく答えを出してごらん」と背中を押します。
私が唯一「優しい」先生になれる時間ですね。
(^O^)
生徒が答を書いたら正解を言う前に「問題をもう一度読んで(図をよく見て)今出した答えが変な数字になっていないか考えてみなさい」と自己チェックを行わせて(一日何個のパンを食べますか」に対して200個とか0.1個は明らかにおかしいですよね)、
「変だな」と感じたらもう一度答えを出させます。
また、計算式を全く思いつかない生徒には「式はいらないから、常識的な日常的な感覚でいいのでとにかく答えを書きなさい」と激励します。
それが済んだら正答を教えますが、合っていた場合はもちろん、間違っていても最大級にほめます。
「いいよいいよ!間違ってもしょうがないよ!習ってないんだからね!答えが出たから良いんだよ!偉いよ!」という感じです。
以上の過程を通じて、生徒の頭の中に
「習った問題=速く完璧に正答しないとダメだし自分は出来る」
「習ったことのない問題=まともな数字が出ればOK」
という条件付けというか場合分けが出来てきます。
このようにして、見たことのない問題に対しては、自分が身につけたことを自由に使って自分なりの答えを出せる生徒が育ってくるのです。
入試でも
実際の入試の場合、「習ったことのない問題」は実は易しく、学力がある生徒が落ち着いて自由にテキトーに考えれば時間もかからず正答することが多いです。
「習ったことがなく」しかも「難しい」問題の場合は、それに時間を取られる事を避けるのが大切なので、テキトーにやって答えが出ない時点で「後回し問題」にして次にすすみます。
ここでパニックになり時間と気力を消費させられる子が撃沈してしまいます。
まじめで融通が効かない子の場合、普段から問題を選別するトレーニングをする必要があります。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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