小4中学受験生を持つ保護者のあなた「無事入塾できたし、後は塾の授業と宿題をきちんとやっていれば大丈夫♪」と思っていませんか?
甘いです!実は4年次の学習が5年6年入試を左右するのです。
比較的余裕がある4年次に時間と手間をかけて正しい学習で「攻めた」ご家庭は5年で内容が難しくなっても「守る・耐える」ことが出来て6年から再び「攻め」に転じることができますが、反対に4年次を無駄に過ごすと5年6年が「防戦一方」になってしまいます。
ここでいう「攻め」は先取り学習だけをさすのではありません。塾の宿題をこなすだけでなく、あえて試行錯誤を重ね「正しい学習方法・復習方法」身につけておくことを指します。
この記事では、東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が4年時に身につけるべき学習・復習方法を分かりやすく説明します。出来ることから真似すれば2年後の入試本番でもベストの結果を残すことができるでしょう。
算数
算数は5年になると難しくなって苦戦することが多いです。そうならないように、またはそうなっても守りきれるように4年から準備をしておきます。
全般
正しい解答方法を確立する
とにかく「手を動かす」ことが大事です。
問題を解く際は答えだけでなく、途中の思考過程を式や図などに簡潔に表現する習慣をつけましょう。「答えができていても途中式や図が書いていないのは90点」くらいの評価がちょうどいいです。
頭の中でなんとなく考えて正解するという勉強を続けていると、そのお子さんにとって一発解答が難しい単元が出てきた時に、一気に解けなくなり苦手単元になってしまいます。
正しい学習方法を身に着けているお子さんの場合、一発解答が難しい場合でも自分の書いた途中過程をヒントに考えて解答を導いたり、最悪でも途中までを書いておけば後で復習して理解できることが多くなります。
正しい学習法を確立するのは手間もかかりますが、内容が難しくなるにつれて他の生徒より頭一つ抜き出る可能性がどんどん高くなっていきます。
復習素材を作っておく
4年の間は既習単元がさほど多くないので、学習をする時には復習するときに見直すカード等の「復習素材」を作っておきましょう。
「素材」と言っても、そんなに大げさなものではありません。
複数単元にまたがるテストの前に復習をしながら、テキストを参考に「公式」や「問題を解くときの注意点」を簡潔にまとめます。一単元につきA4サイズ1枚以内が目安です。
「数」「特殊算(文章題)」「図形」などの分野ごとにまとめておくと、同じ分野の続き単元の「予習」に威力を発揮します。
自分ではどうしても作れない、という場合はコンパクトなまとめの本を購入して付せんをはさんで日付や塾のテキストのページを書き込んでおきましょう。
塾別ガイド~日能研4年
傾向
四大塾(日能研,四谷大塚,Wアカ,SAPX)の中でカリキュラムが一番ゆっくり。またテキストの単元が同じような分野でまとまって連続する(「数→数→数→図形→図形」のように)傾向があるので頭への負担が少なく、余裕がある。
前期後期でそれぞれ1冊のテキストが配布されるので予習も可能(塾側からは推奨されていない)
一方で、日能研のテキストは例題→基本問題→応用問題というようなレベル分けが明確にされておらず、また公式などをまとめたパートもない。
そのため、後から復習しようと思っても、どこから始めれば良いか分からず、ハッキリ言って復習しづらい。
つまり授業を受けている時は分かりやすいが、後から思い出そうとすると「あれ…忘れた。どこを復習すればいいの。分からない」となる恐れがある。
そこで、後で困らないように毎週の学習時に最低限度の知識・公式を復習素材にしておく必要がある。
前期(2月~7月)
「数の計算と若干の割合・規則性(~5月連休)」→「図形(~6月末)」→「本格的な規則性」という具合に無理の無いペースで、しかも同じ分野が固まって出てくるので余裕があります。
詳しくは「日能研(4年次)算数の学習法」を見て下さい(会員様専用記事。こちらから会員登録をして下さい。)
夏期(8月)
SAPIXはもちろん四谷に比べても、かなりのんびりしています。
前期の復習をしっかり行い(必要なら他のテキストを併用)、復習素材を作っておきましょう。
後期(9月~1月)
後期も、小数計算(4回)→場合の数(2回)→比例反比例(2回)→速さ(2回)→特殊算(4回)→立体図形(2回)という具合に同じ分野が無理のないペースで続くので「全然分からない!」ということにはならないでしょう。
ただし重要単元がいくつも入っているので、正しい学習習慣(図を書く・復習素材を作る)を身に着けておかないと5年で苦労します。
詳しくは「4年次塾別算数学習法~日能研」内の「後期(9月~1月)」を見て下さい(会員様専用記事。こちらから会員登録をして下さい。)
塾別ガイド~四谷Wアカ
2021年に改訂された版を記述しています。
傾向
前期後期でそれぞれ1冊配布されるテキスト「予習シリーズ」は日能研に比べると内容がヘビーだが、受験参考書の完成形という感じで予習も復習もしやすい。
次単元の導入を行う「予習ナビ」の評判も良い。
塾側も予習を推奨しているので、基本例題はできるようにしてから授業に出て、練習問題レベルを組分けテストまでに解けるようにしていく。
5回ごとにその5回(うち1回は総合回)を範囲にする組分けテストが行われるので、総合回の週に復習素材を作りながら(利用しながら)4週分の復習・定着を行うリズムを作る。
「予習シリーズ」は日能研の「本科教室」に比べると、異なる分野の単元が次々に現れる(「数の分野→特殊算→図形」のような)傾向があり、総合回での4回分の復習が結構大変で、この時に復習しきれない単元(たいてい苦手分野)があると後でしっぺ返しを食らうので注意。
2021年の改訂で類似分野が連続して出てくるようにまとめられた。その代わり進度が少し早くなったので、ラクにはなっていない。
前期(2~7月)
詳しくは「4年次塾別算数学習法~予習シリーズ」を見て下さい(会員様専用記事。こちらから会員登録をして下さい。)
夏期(8月)
カリキュラムが停止するので、前期にできなかった問題(Xがついている問題)を完全にする。また、できるだけ予習をしておく(2020年まで)。
詳しくは「4年次塾別算数学習法~予習シリーズ」を見て下さい(会員様専用記事。こちらから会員登録をして下さい。)
後期(9~1月)
詳しくは「4年次塾別算数学習法~予習シリーズ」を見て下さい(会員様専用記事。こちらから会員登録をして下さい。)
塾別ガイド~SAPIX4年
傾向
テキスト「Weekly SAPIX」は毎回配布される形式なので予習ができない。
テキストの内容は四谷の「予習シリーズ」とさほど変わらないが、まとめ的な内容が無かったり解説がわかりづらかったりするので、つまづきやすい。
四谷と同様に5回ごとにその5回(うち1回は総合回)を内容とする組分けテストが行われるので、総合回の週に復習をすることになるが、SAPIXも異なる分野が切り替わるように単元が進むので復習は大変。
さらに四谷や日能研と違い、休暇期間の講習でもカリキュラムが進むので、つまづきを講習期間に解消するのが難しい。
こういう具合で、とにかくつまづきやすく、つまづきからの回復も難しいのがSAPIXのカリキュラムの特徴です。
詳しくは「4年次塾別算数学習法~SAPIX」を見て下さい(会員様専用記事。こちらから会員登録をして下さい。)。
国語
国語は「(勉強しなくても)できる生徒」と「(勉強しても)できない生徒」が分かれる科目。
塾内のテストが始まってしばらくしたら、どちらなのかを認識する。
できる場合
なんとなくで出来てしまう場合は「カン」が鈍らないように塾の宿題以外にも5年用問題や易しめの入試問題などにどんどんチャレンジする。
できない場合
国語ができない場合、1年以上かけて追いつくつもりで長期的に頑張る。
文を読むのが苦手な場合は問題集でなくても良いので音読を毎日行ったりして文を早く読めるようにする。
読解問題を「解く」のに慣れていないなら、塾の課題以外に薄い問題集などで「解く」練習をして、記号問題を確実に解けるようにする。
せめて漢字や語句は他の生徒よりも早めに進んでおく。
理科
生物地学
生物の知識などはテキストだけでなく「まとめ本」「暗記本」のようなものを使う練習をしておくと6年になって総復習をする時に威力を発揮する。
物理化学
どの塾のカリキュラムでも計算はほとんど出てこないが、出てきた場合は算数の学習と同様に復習素材にしておく(利用する)と良い。
社会
これを得意科目にできると算数国語の不調をカバーできる。
地理
完成させる
多くの塾では5年途中まで地理をゆっくり学習し、そのあと歴史が急ぎ足で始まります。受験学年の6年になっても政治経済のインプットが続き、同時に入試過去問への取り組みが始まります。
つまり、あとで地理をゆっくり復習するヒマはありません。
ですから4年の間に地理を完成させておくのが必要。受験レベルまで持っていくつもりで学習します
学習方法
主要な海・島・山・川・湾・平野と都道府県・県庁所在地を覚えて、頭の中に記憶の「棚」をつくる
気候や産物・産業等の知識を上記の「棚」に入れていく
受験レベルまで細かい知識にも「触れておく」
復習の準備
地理学習には余裕があるので、テスト前に復習だけの期間を作り、その時に1冊・一つの教材で復習する練習をしておきましょう。
復習の質が上がるのはもちろんですが、それだけではありません。
復習を意識すると「後で復習しやすいように~しておこう」という感じで学習方法にフィードバックされ、理社全般での学習効率が上がることが多いのです。
歴史
地理に比べて急ぎ足で学ぶので、予習をしておくのが良い。
漫画などで歴史(のある時代・ある人物)に親近感をもたせるのが簡単。とっかかりができれば、そこから全体へと興味が広がることもある。
「スタディサプリ」のような無学年式の教材を利用すると良いですね
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遅れを取り戻す方法
休みを活用
多くの塾では休暇期間はカリキュラムがストップして予習と復習を行います。この期間を「能動的に」活用しないと遅れを取り戻せません。
優先順位は復習>予習です。理解不足の単元・苦手単元が残っている場合は、塾の講習とは別に家庭で重点的に復習して、復習素材を作っておきます。
塾の講習に参加するなら予習はそちらに任せます。
休みの活用が難しい場合
サピックスのように講習中もカリキュラムが進んだり、校舎の方針で講習中に予習をガッツリ行う場合があります。
このような場合は、休みの期間にリカバリーするのが難しいので、通常期間に弱点補強をする余裕を作っておかないといけません(大変です…)。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
この記事があなたの役に立てたら嬉しいです♪
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