20年の経験からアドバイス】どの塾がおすすめ?塾の特徴とえらび方【中学受験 | そうちゃ式 総本部

20年の経験からアドバイス】どの塾がおすすめ?塾の特徴とえらび方【中学受験

「中学受験をしたいけれど、どの塾にしようか?」「集団塾じゃなくて個別塾や家庭教師はどうなの?」とお悩みのご家庭は多いでしょう。

私「そうちゃ」が関東の中小の集団塾や大手個別指導塾の講師としての20年の経験、個別や家庭教師の生徒さんから得た情報からアドバイスを致します。

皆さんの疑問やお悩みが少しでも解消できれば幸いです。

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前置き

前置きというより結論かも知れませんが(汗)…実際に入ってみて「まあまあ満足できた」塾があなたにオススメの塾です。

服は着てみないと分からない

確かに塾のブランドによる特徴はあります。しかし実際には校舎・学年ごとの差が大きいのです。

例えば、同じブランドの塾でも校舎の責任者次第で対応が180度変わることがあります。もっとも、この点については事前見学で分かるかもしれません。

ただそれだけでなく、同じ校舎の中でも学年でクラスの編成や雰囲気が180度変わることが多いです。こればかりは見学に行っても分からないことがあります。社員が正確に伝えなかったり、後に激変することがあるからです。

こういうわけで、塾選びは実際に通塾してみないとアタリハズレを判断できないのです。

しばらく通ってみて「この塾イヤだ」とお子さんが言わなければ、とりあえずアタリと思っておきましょう。

合わなかったら変えればいい

小3小4なら、しばらく通ってみて「イヤ」な場合、他の塾に転塾しても平気でしょう。

ただ、カリキュラムなどの関係で転塾が難しかったり・準備が必要な場合がありますので、ダメだった場合を想定して入塾候補・転塾パターンをいくつか想定しておくとベストです。

というわけで、塾選びも、他の習い事や買い物と同様に「入って(買って)みないと分からない」「合わなかったら変えれば(返品すれば)いい」のです。

最初の塾のえらび方

➀実際に通ってみる

➁合わなければ変える

これをご理解頂いた上で、塾の特徴・選び方を見ていきます。

大手集団塾

中学受験をするなら、まずは大手集団塾を検討するのが良いです。

大手集団塾のメリット

➀授業カリキュラム・講師・テキストの最低限の品質保証がされている
➁生徒が多いので塾内競争(クラス分け)で鍛えられる
③過去のデータの蓄積があるので摸試等で正確な進学指導ができる。

通塾しなくても、大手集団塾主催の摸試を利用すれば③は利用できますね。

関東の大手集団塾の特徴

家庭教師や個別指導でそれぞれの生徒さんを見て校舎の様子を聞いた「そうちゃ」による寸評です。独断が入っています…

SAPIX

1989年に「●AP」というスパルタ式の有名進学塾から優秀な生徒を引き連れて独立した塾で当時は騒ぎになった。

2010年頃代ゼミ系列に買収され経営も移った。関東に44校舎と近畿に4校舎を展開。

「できる生徒」を難関校に入れる塾で、生徒を伸ばすというよりは通塾自体がふるい分けになっている。上位についていければ難関校に入れる塾。優秀で競争好きな子向き

進度:早い。講習時もカリキュラムが進むのが特徴
宿題:多め
テキスト:内容はともかく分冊で使いづらく・復習もしづらい。

テキストの整理管理から始まって家庭でフォローしないといけないことが多く、一度つまづくとリカバリーが難しい塾です。

ついていけなかった場合を考えておき(プランB)、必要以上にSAPIXに拘らないのが大切です。

四谷大塚

摸試を中心にした日曜日だけの塾として発足し、その後テキストを備えた通常の学習塾に発展。直営校は関東に70校ほどだが、全国に提携塾が700校近くもある。

2006年に東進ハイスクールのナガセに買収された。

大手集団塾の中で一番きちんとしたテキスト「予習シリーズ」があるので体系的に知識を身に着けやすい塾。真面目でコツコツ型の子向き

進度:早めだが、講習時にはカリキュラムが止まる。(2021からは講習時にもカリキュラムが進むらしい…)
宿題:少なめ。
テキスト:「予習シリーズ」はよくまとまった受験参考書で復習もしやすい。(2021から改定が始まる模様)

つまづいても休みの間にリカバリーすることも可能で、余裕があれば先取りもしやすい。一番無難な塾です(2020年まで)。

日能研

菊名市の小学生向け地域塾から全国147校を関東関西以外の地域にも展開するまでに成長した塾。

カリキュラムはタイトになって他塾に近づいたが、テキストや授業の雰囲気が柔らかい塾。おっとりのんびり型の子向き。

進度:ゆっくり。テキスト上で学びやすいように単元が並べられていて、負担が最も少ない。
宿題:少なめ
テキスト:メインテキストが「栄冠」と「演習」の2冊になっている。前者は雑談多め導入多め。復習はしづらい(2020から改訂中)

色々な意味で負担が少なめの塾だが「テスト」の頻度が高く(2週間に1度)定着させる時間が足りなくなりがち

早稲田アカデミー

阿佐ヶ谷の学習塾から始まり経営者を変えつつ1997年には四谷大塚と提携し2010年には東進のナガセ(四谷を買収)が筆頭株主になっている。

四谷と同じ「予習シリーズ」を使用。色々と工夫や試行をしている意欲的な塾。元気でパワフル型の子向き。

進度:四谷と同じ。
宿題:多め
テキスト:予習シリーズ以外に独自テキストもあるが高学年では使わないことが多い。

生徒を「伸ばす」ことに熱心な塾で、塾側の企画にうまく「乗る」ことができれば実力を伸ばすこともできるかもしれません。

以上4つが首都圏の中学受験の四大塾です。

これ以外にも著名な塾が存在します。

グノーブル

SAPIXの講師が独立した塾。中高一貫生向けとしては著名な塾でしたが、昨今は中学受験でも有名に。

SAPIXを少数精鋭にした雰囲気の塾。

グノーブルの公式サイト

市進学院

発祥は千葉県の市川市。

上の四大塾に比べると進学実績やテキストは見劣りするが、校舎の雰囲気や指導力を比較してこちらの塾を選択する生徒さんもいました。

栄光ゼミナール

市進と同じような位置付けだが、こちらはアットホームで面倒見が良い校舎が多い印象。

テキスト「新演習」は使いやすい。

臨海セミナー

 

首都圏の大手塾の特徴を詳しく知りたい人は、関連記事「関東の大手塾!SYNWの特徴は?」を見て下さい。

関西の大手集団塾の特徴

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中小規模の集団塾

メリット

大手集団塾でないとダメというわけではありません。

大手の塾と同じテキストを使ったり、YTネット(四谷大塚)など大手集団塾のグループに入っている場合は、大手塾に近い品質の授業を受けることができますし、大手塾主催の摸試を利用すれば客観的な位置を測ることもできます。

地方在住・またはスケジュールの関係で大手集団塾に通えない場合に中小の集団塾を検討するのが多いケースですが、大手塾の激しい塾内競争がイヤという生徒さんにはアットホームな雰囲気の中小塾が相性が良いかもしれません。

注意点

中小塾の場合は講師の選別や教育にコストがかけられないので、講師や授業の品質が保証されていません。

塾長クラスが直接担当してくれるクラスや授業は大丈夫だと思いますが、アルバイト講師が一定品質の授業や指導をするには塾全体でテキストやカリキュラムが整備されている必要があります。

塾全体のテキストやカリキュラムなどを確認して、最低限の品質保証ができている塾を選びましょう。

(中小の集団塾に向いている)
①地理的時間的条件で大手集団塾に通えない
②大人数や競争の激しい雰囲気が苦手なお子さん

(選ぶ際の注意)
○塾長以外の講師の質
③テキストやカリキュラムが大手集団塾に準拠している塾がベター
④大手集団塾の摸試を利用する

通信教育

大手の通信教育(Z会さん)や大手塾の通信教育(四谷さん)ならカリキュラムもしっかりしているので、通信教育でも中学受験に十分な学習をすることはできます。

大手集団塾の摸試を併用すれば、自分の客観的な位置や合格可能性も分かります。

ただ通信教育の場合、学習管理を家庭で行う必要があります。自学が出来ないお子さんの場合は、保護者がついていないといけません。

親子で勉強するとケンカに発展することもあり、大変かもしれません…

(通信教育が向いている)
①地理的時間的条件で集団塾に通えない場合
②自学自習がある程度できる生徒さん

個別的な教育

以上で見た一斉的な教育ではなく、個別的な教育もあります。

個別指導塾

個別一本で受験できるか

まずは集団塾を検討

「集団塾は大変そうなので個別で」と安易に考えない方が良い。個別指導塾一本で受験をするのは、かなり困難。

中学受験の個別指導の場合、カリキュラムは家庭から提案するか、独自に作成してもらう。

「自分の子にあったカリキュラムを作ってもらえる」というのは長所のようにも見えますが、そう単純な話ではありません。

最後には大手集団塾の生徒と競うので、同じような内容のカリキュラムを進めることになる。

また最終的には受験当日に間に合わせるためには、カリキュラムをしっかり守らないといけない。

競争する相手が居ない状況でカリキュラムを守るのは生徒も講師も大変。

大手集団塾に通えない場合でも、まず中小の集団塾を検討するのが良い。

金銭時間はかかります

どうしても集団塾に通えずに個別一本で行く場合は、金銭・時間にかなり余裕が必要。

集団塾は3年の2月から2年間で単元ごとの学習を終えるので、半年から1年早めに(2年の終わり~3年の始めから)始めるのがオススメ。

算数(+理科)と国語(+社会)の2コマは必要。費用がかかるがやむを得ない。

受験を始めるのが遅く大手集団塾に入れない場合、個別塾に行かざるを得ないことも多い。

この場合、集団塾のカリキュラムに短期間で追いつくのは非常に困難。かなり良い先生の授業をたくさん取らないと追いつけない。授業料が高いのでお金がかかるのは覚悟。

集団との併用

大手集団塾とダブルで通塾する場合、苦手科目を個別(や家庭教師)でカバーするのが多いでしょう。

これは良い使い方ですね。

金銭的に、時期や回数を必要最小限度に調整できると良いですね。

運(アタリ/ハズレ)の要素

個別指導や家庭教師の場合、講師に学力・教務力だけでなく指導力や生徒との相性が必要なので、集団塾とは違った意味の「良い先生」に当たらないと金の無駄遣いになる。これは運の側面が強い

まとめ

(個別指導塾が向いている)
①地理的時間的条件で集団塾に通えない場合
②受験開始(再開)時期が遅い場合
③集団塾とのダブルで利用

(注意点)
①早めにスタート
④良い講師にあたる幸運が必要
⑤経済力が必要

家庭教師

使用上の注意

まず通塾を検討

他の習い事との兼ね合いで、集団塾に通わずに家庭教師一本で受験を考える家庭もあるが、それはかなり難しい。

塾と同じ回数を家庭教師に来てもらうのは相当費用がかかるし、回数を減らした場合生徒さんが自主的にカリキュラムを進めないといけない。

塾では他人との競争でペースメイクができるが、家庭教師との学習ではそれが期待できないので、カリキュラムを自主的にすすめるのは本当に難しい。

教師選びも大変。集団塾に見劣りしないカリキュラムを作れる教務力と生徒に実行させる指導力のある家庭教師はなかなか居ない。

以上の理由により、大手集団塾に通うのが難しい場合でも、まず中小の塾や個別指導塾の利用を検討すべき

どうしても塾に通えない場合に初めて家庭教師が唯一の選択肢になる。

丸投げは難しい

良い家庭教師を長期的に使えるか分からないし、家庭教師が毎日来ることも無いだろうから、結局は保護者が管理者を兼ねないといけない。

塾に通わせるよりも確実に手間がかかる。

個人契約と派遣会社

個人契約にするメリットとして授業料が低いのをあげる人が多いが、一番のメリットは「直接連絡が出来るので臨機応変に対応してもらえること」

授業の変更などの連絡が容易だし、授業がない日にLINEやメールで質問を付け付けてくれる親切な講師もいる(私だw)

ただ、個人契約の場合は講師の品質が未知数なので開始前に色々な方法で確認するのが良い

オンライン家庭教師

対面と同じクオリティにはならないが、システムが工夫されていれば十分な品質は担保できます。

特に、講義を聞けば理解できて自分で復習もできる生徒さんなら対面に近い効果を上げるのも可能です。

一方、一緒に何か作業(ノート作り・暗記素材作り等)をするのが必要な生徒さん、密なコミュニケーションが必要な生徒さんの場合は、さらに工夫をしてもらわないと効果を発揮できないかもしれません。

まとめ

(家庭教師に向いている)
①塾にどうしても通えない
②生徒が自主的に勉強できる
➂親が勉強を管理できる
④大手集団塾とのダブルはあり

(注意)
①費用がかかる
②かなり良い先生にあたる運が必要

転塾のパターン

当然のことながら、カリキュラムの進度が早い塾から遅い塾に移るのは比較的やさしい。

首都圏の大手集団塾なら、日能研<四谷=Wアカ<サピックス の順にカリキュラム進度が早いので、Sapixから他の塾に移るのは比較的やさしいです。

逆に、遅い塾から早い塾に移る場合は、準備をしてからタイミングを図って移らないとついていけなくなる可能性が高いです。

例えばSAPIXに転塾する場合は、SAPIXのカリキュラムに合わせて未習範囲を学習しないといけません。SAPIXのカリキュラムについては会員様専用記事「サピックスとの対照」を見て下さい。

御家庭で準備する場合は四谷大塚の「予習シリーズ」などを利用すると良いでしょう。

転塾のタイミングに合うように短期間で効率的に学習したい場合は外部のプロのちからを借りるのもオススメです。

爽茶そうちゃ

最後まで読んでいただきありがとうございました!

この記事があなたの役に立てたら嬉しいです♪

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