小4・小5の途中から受験塾に入るのは無理なの!?」とお悩みの方、無理ではありませんよ。ただ大変ではあります。塾講師・家庭教師歴20年の図解講師「そうちゃ」が分かりやすく説明します。
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途中参加は楽ではない
追いつくのは大変
いきなり脅かすようで申し訳ありませんが、途中入塾は楽ではないです。
既にスタートを切っている人たちに「追いつかないといけない」からです。
塾のカリキュラムは3年の2月から始まりますが、その前から生徒さんたちは受験準備をしています(早ければ一年以上前から。遅くとも小3の冬休みから)。
ですから、例えば小4の5月に受験を始めようと思った場合は遅れは4月からの1ヶ月ではなく半年以上出遅れていることになるのですね。
追い付くためにやることは2つ。
❶標準的なスタートを切った受験生たちが、スタート前にしていたこと(学習習慣など)を少し高いレベルで出来るようにする。(そもそも、大手集団塾の場合「入塾テスト」があるので遅れが大きい場合は入塾自体ができません)
❷標準的なスタートを切った受験生たちに学習事項(カリキュラム)を追いつく
外部の力を借りるのもアリ
中学受験はお子さんの努力だけではなく親御さんの努力も必要とする戦いです。
ですから、まずはお子さんと二人三脚で頑張ってみるのも良いと思います。
ただ、御家庭だけではどうしても難しい場合もあると思います。そういう時は外部の力を借りて下さい。
例えば、個別指導塾や家庭教師をピンポイントで使う等です。費用はかかってしまいますが、スタートの遅れを取り戻せればお釣りが来ます!
参考記事「個別指導塾や家庭教師の選び方」
時期別のモデルケース
今回は「学校の中では勉強ができる方だが特に塾には行っていなかった」生徒さんが中学受験を決意した場合をシミュレーションしてみます。
モデルケース1:4年夏前スタート→遅れを取り戻して入塾
一番早いケース、4年の4月に初めて受験を決断した場合を考えます。
標準的なスタートを切った受験生が3年の11月から3ヶ月準備をしていたとすると(実際は1年近く準備している生徒さんが沢山います)、5ヶ月遅れていることになります。
ただ、他の生徒さんも本格的な受験勉強ははじまったばかりなので、遅れを取り戻すのも比較的やさしいです。
そこで「入塾テスト対策」として遅れを取り戻して、塾内で中位の学力で入塾するのが良いでしょう。
ビリで入塾した場合「途中から入ったんだしビリの方でもいいや」と、その位置に甘んじてしまうおそれがあるからです。塾の先生や生徒から「新しく入ってきた○○くんは頭が良い」という評価を得た方が後の勉強に弾みがつきます。
塾に通っていなかったなら、塾の学習(4年なら週2回4科目で学校より難しく速い授業と宿題)についていけるように訓練する期間が必要です。
薄めの問題集を準備して3年までの学校の総復習(算国)を週3~4日、1日2時間以上のペースで行うことから始めます。急ぎ足で2週間で終了したとします。
参考記事「学年ごとの総復習にオススメの問題集」
学校の総復習が終わったら遅れている分の塾の学習単元(2月から4月までで7単元ほど)を市販の参考書・問題集で学習します。入塾予定の塾のカリキュラムを参考にしましょう。
復習まとめにオススメの本(算数の基本問題)
4年の段階ではまだ各分野のはじめの一歩を学習しているので遅れている全部を学習しなくても何とかなるかもしれません。塾のカリキュラムがこれから扱う単元の類似単元4つを学習するとします。
「公立小学校の中で勉強ができる方」なお子さんが大手の塾(日能研・四谷大塚)に入った場合、偏差値は40~45くらい・つまり真ん中より下です。その生徒さんが4単元を学習して身につけるのには1ヶ月以上かかるでしょう。
ここまでかなりの急ぎ足で一ヶ月半ちょっと、5月の下旬頃でしょう。
これで6月から入塾することができます。今回の途中入塾で一番速いのがこのパターンです(大手集団塾の場合は塾の入塾テストのタイミングに左右されます)。
遅れていた学習単元を多めにカバーして夏期講習から入塾しても良いですね。夏期講習の前半は復習をすることが多いので、そこで追いつけるでしょう。
ちなみに「別に準備なんて必要ないのでは?」という意見もあるし、それで出来ちゃうお子さんもいるでしょう。
しかし、出だしでつまづいて「自分は塾の中ではだめな生徒だ」というセルフイメージが形成されてしまったら、受験だけでなく勉強が苦痛になってしまうかもしれません!
お子様のために、石橋を叩いて念には念を入れて準備してあげましょう。
保護者の方だけでは準備が難しい場合は、費用を惜しまず個別指導塾や家庭教師を利用して準備を行って下さい。
参考記事「個別指導塾や家庭教師の選び方」
このケースは4月に受験を決意しましたが、夏休みに入る前なら夏休みを使えるので、同じように学校の総復習→塾の単元を10以上という順に準備すれば、なんとか9月から入塾が可能でしょう。
モデルケース2:4年秋スタート→入塾してから遅れを取り戻す
小4の秋(9月)に受験を決意した場合は、なんと遅れが1年近くあることになり、カリキュラムもテキスト1冊分(20単元ほど)遅れています。
ここまで遅れてしまうと、ケース1のように遅れを取り戻して中位の学力で入塾するのは難しいです。
入塾テスト対策として最低限の準備(1ヶ月ほどで学習態勢を整えて、学校の算数国語の4年生終了までの学習を終了させる)をしたら入塾してしまう方が良いでしょう。
そして入塾直後の二学期の間は何とか耐えしのぎ、冬休み以降徐々に追いついて塾の学年が変わる2月には下位を脱することを目標にします。
とはいえ、二学期に「耐えしのぐ」のも簡単ではありません。
現在進行中の単元の前提になっている単元(一学期のテキストで出てきている)を授業前に学習しないと授業が理解できないでしょう。
だから、進行中の単元だけでなく全体の単元も学習する必要があるのです。
つまり、入塾直後は2倍の勉強をしても「ついていくのがやっと」になる可能性が高いです。この時期が一番大変でしょう。
そして冬休みに入塾前の未習単元を全て学習してカリキュラム上の遅れを取り戻し、1月末のテストで塾内の成績を中位まで回復させる。
これで2月の新学年(塾の5年)からは中くらいのクラスでスタートでき、名実ともに遅れを取り戻したことになります。
このケースでは、入塾直後の二学期と冬休みが頑張りどころです。お子さん・御家庭の努力を前提に、個別指導塾や家庭教師などプロの力を借りることをオススメします。
モデルケース3A:小4冬~小5春スタート→入塾後遅れたまま6年まで我慢
小4の冬以降に受験を決意した場合は一年以上の遅れがあり、これはインプットのカリキュラムの半分以上にあたります。
普通、この遅れを取り戻すのは難しく、2つの選択肢のどちらかを選ぶことになるでしょう。
1つ目の選択肢が、インプットのカリキュラムが終わる5年の1月までは最悪ついていくだけで良しとして、6年の全体復習時に成績アップを狙う(または算数以外の科目でカバーする)ものです。
小4冬から小5春までなら、この作戦も有りかもしれません。
正直「ついていく」だけでも努力を要するのですが…6年時に成績アップするためには更に戦略が必要です。
例えば他の受験生の倍のスピードで見直しと定着が出来るような復習素材の準備と練習などです。
このケースで学力を上位にするのは難易度が高いので、個別や家庭教師を併用せざるを得ない場合もあるでしょう。その場合は、授業についていく「だけ」にならないよう「成績アップ」の戦略を準備してもらいましょう。
モデルケース3B:大手塾に入らない
小4の冬以降に受験を決意した場合のもう一つの選択肢は、大手の集団塾に入るのを思い切ってやめることです。
特に小5の春より後に受験を決意した場合、集団塾に入るメリットはかなり減少します。授業は難しくて分からない可能性が高く、貴重な時期を無駄にしてしまうからです。
大手の集団塾に入らないと決めてしまえば場合は、標準的なスタートを切った受験生に追いつく時期をある程度自由に決めたカリキュラムを組んで学習できます。
例えば6年の夏前に追いつくカリキュラムにするならば1年で全単元を学習すれば良くなります。通常2年のところを1年間なので大変ではありますが…
学習態勢については、ご家庭だけで学習するか、部分的に家庭教師や個別指導塾を利用するのか等色々考えられます。
このケースは別記事「大手塾に行かずに受験するには?」を読んで下さい。
まとめ
このように、小4・小5で大手集団塾に入って受験をするのは無理ではありません。
ただ、親子二人三脚で努力をするか、外部の力を借りるかして遅れを取り戻さないと行けないので、大変な事は間違い有りません。
本人・御家庭の努力はもちろんですが、外部のプロの力を積極的に利用して下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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