「ヤマ張り授業」は一回だけ! | そうちゃ式 総本部

「ヤマ張り授業」は一回だけ!

親御さんからは無いですが、生徒から「入試でどこが出るかなぁ」「ヤマ張ってくれない?」と言われることがタマにあります。

今回は「ヤマ張り」授業の是非・方法を通じて、良い先生の選び方・直前期に実を結ぶ学習法のヒントを提供します。

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「ヤマ張り」は邪道です

私の場合、個別指導塾や家庭教師の受験生の授業では「ヤマ張り」は原則として行いません。(非受験生で、定期テスト対策をする授業は別の話ですが…)

「試験問題を当てる」のではなく、「総合的に(分野の壁・科目の壁を越えて)得点力を伸ばす」のが授業の目的ですし、志望校が変わる可能性は最後の最後まである以上「ヤマ張り」という行為自体が学力にスキを作る悪手だと思うからです。

また、生徒の心理的にも「ヤマを張る」=「学習量を減らしたい(~中だとココはでないからやらなくて良い!)」「苦手な事はやりたくない(~中だと~の範囲が出るけど、…中だと出ないからコッチを受ける!)」という場合がほとんどなので、冒頭の「ヤマを張ってくれ」という生徒に対しては「どの科目のどういう分野が出題されても答えられるようにするのが勉強でしょ!」と答えますw

ただし、生徒それぞれに1回(または2回)だけ10点アップの「ヤマ張り」の授業をすることがあります。

一回限定のヤマ張り授業

それは、入試が2回以上ある学校の1回目の入試がダメだった時の1回目と2回めの間に行う授業です(日程にすると2・3日くらい)。

生徒の志望校の過去問を準備している間に傾向は分かってくるので、1回目の試験直前にも範囲を絞った準備をしてはいるのですが、
1回目の入試がダメだった直後は、1回目で出題された分野と生徒の感触、生徒の得意不得意を総合して、2回目の入試で10点アップさせるために対策すべき科目と分野をかなり絞り込むことができる(例えば、第1回入試で出題された事項は第2回入試では普通は出題されません)ので得点をアップできる可能性が非常に高まります。そこで、普段はあまり行わない営業「10点アップするから授業はいかがですか?」を行ってでも(汗)、1回限定で「ヤマ張り」授業を行います。

内容は生徒に応じて変わってきますが、例えば中学入試の場合「その生徒」が苦手とする理社の知識分野で出題が予想されるものや数学の公式・例題の復習が定石です。実際に、今まで何人も「前日にやったものが出た」と言われ感謝されてきました。

今年も私立高校を受験する生徒に「数学で攻めて点数を伸ばす」作戦で、まとめプリントの作成・復習を行ったところ、「プリントにあった問題とそっくりの問題が出て90点取れた!」との報告を受けました。

ヤマ張り授業をするには

勘違いしないでいただきたいのですが、このようなヤマ張り授業を行うには前提条件が必要です。条件が揃っていない場合は、直前のヤマ張り授業は「百害あって一利なし」なので、行わないで下さい。

参考記事

テスト前にすべき事・してはいけない事

総合的に見る人間

第一に、全試験科目を教えてくれる指導者か、その生徒の全科目の成績などを把握している人間(総合アドバイザー)がいることです。

一番有効な「ヤマ」というのは「皆ができるのに、その生徒だけできない」事項ですから、その生徒の全科目の成績・得手不得手・対策を把握していない限り、その生徒に有効なヤマを張ることはできません。

入試は総合「得点」で合否が決まりますので、特定科目「専門」の先生に教わっている場合は、直前期の授業にムダが多くなりがちです。先程言ったように、直前期には理社の復習が定石ですが、もしも理社を教えられない先生の授業が前日・前々日にある場合は、正直時間がもったいないです。

教わるなら、できるだけ「英国社」「算(数)理」など複数科目を「指導できる」先生をえらびましょう(「分かる」では無く「指導できる」先生です)。

そのような先生がいない、もしくは塾以外に先生がいない場合は、保護者の方が自ら総合アドバイザーになりましょう。塾の先生はあくまで補助に使うものです。

十分な事前の準備

また、複数科目を「指導できる」先生でも、事前に十分な態勢準備をしていない限り、直前の「ヤマ張り」は不可能です。

例えば、理科の生物分野で「人体」にヤマを張ったとしても、あらかじめ復習教材を決めて(作って)、日頃から暗記の練習・弱点箇所の復習の練習しておかない限り、入試前の1時間程度で復習・再定着することはできません。

ですから、入試の直前期のために一年か少なくとも半年前から暗記科目の全分野を復習できるよう準備しておく必要があるのです。
そして準備には時間が必要です(特に軌道に乗るまでは)。複数科目を「指導できる」先生に出会えて、メイン科目にプラスして理社をお願いする場合は、「入試前に復習できる(物質的な)態勢を作って欲しい」旨をはっきり伝えた上で、毎回決まった時間を理社に割いてもらうか、できるなら追加の時間(30分,15分でも良いですw)を提供するのが長い目で見るとオトクです。

もし、塾以外に先生がいない場合は、日頃の学習に「暗記だけの時間」を作って下さい。そして摸試や塾内テストの前に暗記の復習をして、その結果を日頃の学習にフィードバックしましょう。

参考記事

暗記学習の方法

爽茶そうちゃ

最後まで読んでいただきありがとうございました!

この記事があなたの役に立てたら嬉しいです♪

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